2017年06月01日

福祉職のための松山大会の歩き方

1.はじめに


 福祉職といえば、大きく高齢者・児童・障がい者に分類されています。直近10年間を振り返っても、福祉職の待遇は、手厚くなってきていると思いますし、人材難といわれておりますが、職員の絶対数は増えており、一人一人の職務の負担は低減されているように思われます。その一方で、福祉職の離職率は依然低くなく、福祉の職場内においての、虐待などの問題がメディアを通じてほぼ毎日伝えられています。これには、待遇面などの改善の余地は依然あるのでしょうが、福祉分野の職員のスキルを上げていくことでも改善できるのだろうと思われます。その一つとして、ブリーフサイコセラピーを始める、そして深めていくとよろしいかと思い
まして、簡単なブリーフサイコセラピーの説明と、今回の大会概要をご紹介いたします。


2.ブリーフサイコセラピーとは


 ブリーフサイコセラピーとは、クライエントに資源を提供したうえでさせるのではなく、内面にある資源を自ら振り返ってもらい、実践家が短期で効果的で効率的な問題解決へと繋げていく心理療法です。これにより、福祉の現場において、全体の問題解決だけではなく、直接処遇職員一人一人が、日々のクライエントとのかかわりを振り返る中で、問題解決へと繋がっていくと思われます。なお、ブリーフサイコセラピーは、心理臨床の分野だけではなく、病院・学校現場・企業などにおいても大いに活用されております。



3.第27回松山大会について

 
 今回の大会は、7月28日㈮からの3日間で行われます。その内容も、初学者から、より深く専門的に学ばれたい方にも、この3日間は有意義な、そしてお得に過ごせる大会です。

 1日目(7月28日㈮)は、ワークショップです。全部で8つの講座がございますが、いずれも座学だけではなく、実際に模擬面接やロールプレイをした上で学べますから、福祉の現場に当てはめて、参加者とロールプレイをしていく中で、問題を共有しあい、解決へと繋がるヒントが得られることでしょう。
 ブリーフサイコセラピーをはじめから学んでいきたい、と思われている方には、「ブリーフセラピー入門(喜多
徹人先生 神戸セミナー)」・「初学者向け学校向けシステムズアプローチ入門(田中究先生 関内カウンセリングオフィス)」・「ブリーフセラピー・催眠法・動作法の同化的統合という一粒で三度美味しいアプローチの実際(長谷川明弘先生 東洋英和女学院大学)」がお勧めかと思います。特に、長谷川先生のワークショップでは、ブリーフサイコセラピーの流れが一通りつかめるかと思います。
 また、ブリーフサイコセラピーにおける心理療法のことや技法について深めていきたい方は、「ミルトンエリクソン入門(津川秀夫先生 吉備国際大学)」・「ロールプレイと模擬面接で学ぶ、認知行動における見立てと手立ての橋渡し(西川公平先生 CBTセンター)」・「アドラーカフェへようこそ!
〜実践のためのアドラー心理学入門(八巻秀先生 駒澤大学)」・「アンティシぺーション・ダイアローク:未来を思い出す、ネットワークミーティング(白木孝二先生 Nagoya Connect&Share
長沼葉月先生 首都東京大学)」・「解決志向アプローチを学校課題に活かすサポートグループアプローチ(八幡睦美先生 小樽市立望洋台中学校)」がお勧めです。いずれも、処遇困難な場面が多い直接処遇職員の方にも、大いにご活用できる内容だと思います。また、タイトルから、学校現場向けに思われるかもしれませんが、充分に福祉分野にも活用できる内容だと思います。

 2日目(7月29日㈯)は、菊池安希子会長による会長講演に始まり、基調講演(八木健先生 萬翠荘館長)があります。ここでは、ブリーフサイコセラピーだけではなく、俳句の添削も学べます。脱学習のブリーフセラピー(若島 孔文先生 編著)において、「日本人の魂は何か?それは日本刀です。」との言葉が
あります。それと同じく、いらないものを省いたものを「五・七・五」の表現で記したものが、俳句です。福祉施設で、俳句をレクリエーションなどで使われる機会はあるでしょうが、基調講演では俳句だけではなく、ブリーフサイコセラピーのことも学べます。まさに一石二鳥です。
 午後からは、演題発表・シンポジウムに分かれて、大会が進んでいきます。福祉の現場において、あらゆる場面で教育に触れる機会があると思いますが、特に児童福祉施設になれば、教育現場との接点もありますから、教育は外せないと思います。そこで、異業種の方や心理臨床の場面で実践されている先生方のディスカッションや研究発表を通じて、ブリーフサイコセラピーによる問題解決の糸口をつかむ機会となるこ
とでしょう。
 懇親会では、全国からのブリーフサイコセラピーの心理臨床を専門とされている方々と直接お話しできる機会が持てますから、お互いの職業のことを語り合ったりして日々の振り返りや見識を深めることが出来ます。

 3日目(7月30日㈰)は、午前中から大会企画・学会員による研究発表がございまして、午後からは公認心理師シンポジウムがございます。最後まで興味がある分野を学んだり、公認心理師の資格についても、触れてみてはいかがでしょうか。


4.最後に


 今回は、愛媛及び四国での初の開催であるブリーフサイコセラピー大会です。愛媛ならではの、お接待企画を用意しています。特に、「ブリ
ーフ遍路」と名付けられたスタンプラリーでは、2日目までにポイントを集めると、懇親会でポンジュースが飲めます。更に3日間頑張ってポイントを集めると、道後温泉入浴券を得ることが出来ます。しかし、それ以上にこの企画を通じてブリーフサイコセラピー及び愛媛・松山のことをたくさん知ることが出来るから、とてもお得です。今福祉の現場で処遇困難なケースを抱えている方も、3日間参加を終えたときには、心身のリフレッシュだけではなく、一人のブリーフサイコセラピーの専門家となって、実践されていることでしょう。
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2017年05月19日

学校の“ふつうの先生”のための松山大会の歩き方 - 心理臨床はスクールカウンセラーの独壇場ではありません! -


















1 学校現場とブリーフサイコセラピーの接点



 子どもたちと接する中で、何気ない一言が子どもを変えた経験はないでしょうか。子どもの行動をさり気なく褒めた一言がその子の意欲を高め、ささやかな毎日の声掛けが1年後のその子の成長を促す…そういった子どもの心の成長を支える関わりの在り方を教師は日々探りながら経験的に身に付けていきます。

 先生方が子どもに掛けたあの“一言”は、練りに練られたものでなく、さり気ない“一言”だったのでは無いでしょうか。言うまでも無く、子どもの抱える課題を取り出して分析し複雑な人間関係を整理して解決に導くのは至難の業で、中には教師が関与すらできない問題も多々あります。そういった中で、子どもを変えた“一言”は、膠着状態を断ち切る剣では無く、自然な変化へと誘うガイドロープであったことは間違いありません。



 心理学的な知見を現場で活かすための種々の活動が、心理臨床です。そして、心理臨床の大きな柱の一つとしてブリーフサイコセラピーは発展してきました。



ブリーフサイコセラピーでは、相談に訪れた人(クライアント)のリソース(資源)を重視します。友達、保護者による支え、楽しく過ごせる時間・場所、あいさつができる、助けを求めることができる…などなど、これらがリソースです。クライアントには、リソースを活用し自ら望む解決像に向けて変化していく力があると考えます。ブリーフサイコセラピーの知見は、子どもの中にどのようにリソースを見出し、学校生活の中にどのようにガイドロープを張るか、そこで大きな力を発揮します。



 ワークショップ8題と大会企画4題の中から、学校現場に即したもので明日から役立つ企画を以下にピックアップしました。どれも投資した時間と労力に見合ったリソースを先生方に提供すること請け合いです。



 



2 ワークショップを歩く



・ 〜不登校に役立つ〜 ブリーフサイコセラピー入門(喜多徹人
先生)



 関わり続けても膠着状態から抜け出せず、焦りを感じる先生方へ。講師は、実践的なノウハウを素人にも分かりやすく伝授することで定評のある方です。ブリーフサイコセラピーの手法をいかに使うか…その様な事前の知識は不要です。塩こしょうのタイミングと量を変えるだけで、料理は大きく変わります。日常的な子どもたちへお関わりのどの部分を変えてみるか、ワークショップが終わったときには、何種類ものスパイスを手に入れているでしょう。



 



・ アドラー・カフェへようこそ! 〜 実践のためのアドラー心理学入門 〜(八巻
秀 先生)



昨今ブームとなっているアドラー心理学について、その基本から押さえる入門講座です。興味はあるものの、学校現場に応用できるのか?…その様な疑問に回答を得ることができるでしょう。



 



・ システムズアプローチ<完全理解>(田中 究 先生)



 学校における問題は、子どもたちの人間関係を軸に発展することが多く、一般的には原因追及だけでは解決に結びつきにくいことが多いようです。システムズアプローチでは、人間関係を問題の解決に導くためのリソース(資源)として捉えます。このワークショップを“デパ地下の試食コーナー”…と講師は表現していらっしゃいますが、食えない人間関係をどのように料理するか、見てみたいと思いませんか?



 



・ 解決志向アプローチを学校課題に活かすサポートグループ・アプローチ(八幡
睦実 先生)



 学校現場での実践を続けている講師による、最も実戦的な講義です。リソースに注目する解決志向アプローチと、仲間同士による相互支援(ピア・サポート)を組み合わせた、サポートグループ・アプローチの実践を学ぶことができます。 



3 基調講演を歩く 「世界で一番短い詩・俳句」



 表現は簡潔に、解釈は詠み手ではなく読み手に委ねられる。ブリーフサイコセラピーでのセラピストとクライアントとの間に交わされる会話を、詠むこととそれを解釈することの営みに重ね合わせて考えてみようという、挑戦的な試みです。俳句を触媒にしたとき、心理臨床はどのような化学反応を起こすのでしょうか。元NHKアナウンサーで俳人の八木健氏のお話を、ブリーフサイコセラピーで心理臨床活動を実践中の石丸氏が伺います。会場で反応は進みます。生成物は何になるのか、誰にも分かりません!



4 大会企画を歩く



・大会企画A「震災対応シンポジウム」



 大地震などの大規模災害への対応の場として、学校は重要な役割を果たさなければなりません。勤務校が避難所として機能するしないに関わらず、子どもたちへの支援は喫緊の課題となるはずです。子どもたちは様々な体験をします。その様な子どもたちへのケアが、その後の子どもたちの立ち直りに大きな影響を与えることは間違いありません。心理的なケアは、決してプロフェッショナルの独壇場ではありません。このシンポジウムを通して、その学校で勤務する教員ゆえにできることが見つかるはずです。



・大会企画B「ブリーフ×教える」



 欠点を克服するために“できていないこと”を冷静に数え上げる努力は必要でしょうか。さらに、致命的とも思える自分の欠点を意識するとき、自分の目は自信を持って前に向いているでしょうか?ブリーフサイコセラピーでは問題点・欠点を探さずにリソースを探します。



 生徒も教師も、目は前に向いていた方が良いに決まっています。学校現場で、生徒や教師の成長を促す素、“リソース”となり得るものを多くの実践者が探してきました。あんなものが使える、あるいはこんなものを使っている…。これまで学校現場で積み重ねられてきた実践と成果を持ち寄り、ブリーフセラピーの有効性について実証的に語り合います。 



・大会企画D「ブリーフ×学ぶ」



 ブリーフサイコセラピーは、実用的に洗練されており、各方面での応用が利くのが特徴の一つです。心理の分野以外からブリーフサイコセラピーを如何に学び、如何に活かしているか、多くの分野の専門家がその学びと応用について語ります。



 学校現場では生徒に加え保護者への対応も比重を増しつつある昨今、学校以外に基盤を持つ人たちへの対応について、多くの示唆を得られることでしょう。



5 最後までお読み頂き有り難うございました



 ブリーフサイコセラピー学会の全国大会が四国で開催されるのは、今回が初めてです。そこで様々な講座で経験するであろう出会いを四国遍路になぞらえて、ブリーフ遍路と題したスタンプラリーを企画しています。今年の夏、先生方もブリーフ遍路への一歩を踏み出しませんか?



 本学会の講座や企画が、現場で教鞭を執っておられる先生方の教育遍路における、良きお接待となりますよう祈って止みません。
posted by 松山大会 at 08:42| Comment(0) | 日記

2017年04月30日

託児の締切を延ばしました









準備委員会の相模です。

この度、より多くの方が託児サービスをご活用いただけるよう6月9日(金)まで申し込み締切を延長しました。


ぜひご活用ください!


よろしくお願いします。













posted by 松山大会 at 15:08| Comment(0) | 日記